マンションお役立ち情報

給水トラブルの対処法

2023年3月27日 / カテゴリ:トラブル

「蛇口から水が出なくなった」

生活上のトラブルで弊社にもたまにお問い合わせがあります。

断水の原因には主に次のケースがあげられますので

いざという時の為に知っておくと安心です。

 

パイプスペースの給水バルブが閉まっている

パイプスペースとは給排水管が配管されているスペースのことで

そこから各お部屋に分岐されています。

マンションでは2部屋分の給排水管を1箇所にまとめているパイプスペースが多くありますので

例えば、お隣の部屋がリフォームをしていたり、引っ越しをされる際に

誤って別のお部屋の給水バルブを閉めてしまい断水することがあります。

この場合、給水バルブを開けることで断水は改善されます。

 

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給水設備の工事や点検等をしている

マンションには貯水槽や給水ポンプ等、様々な共用の給水設備があります。

※どのような設備があるかはマンションによって異なります。

これらは定期的にメンテナンスをする必要がありますが

その際に断水が発生することがあります。

例えば貯水槽を清掃する時は中のお水を一度全て抜いて空にしますので

清掃中は断水となります。

大抵の場合、事前に断水のお知らせが業者から通知されると思いますので

マンションの掲示板やポストはマメに確認しておきましょう。

 

給水設備にトラブルが発生している

マンションの給水設備には給水ポンプ等の機械がありますので

機械トラブル等で断水が発生することがあります。

自分以外のお部屋でも断水している場合はその可能性が高いです。

この場合個人で復旧することは難しいので

管理会社や給水設備業者に依頼して対応してもらいましょう。

 

勿論上記以外の理由で断水が発生することもあります。

特に近年自然災害が原因で長期間断水している報道などもみかけますので

日頃からの備えも考えていきたいものです。

 

水道管の凍結予防

2023年1月26日 / カテゴリ:トラブル, マンションの老朽化

寒さが厳しい季節になると多いトラブルが水道管の凍結です。

弊社で管理させていただいている埼玉のマンションでも

早朝に凍結が発生することがありますが

そのままの状態で放置してしまうと、まれに水道管が破裂してしまうことがあります。

破裂してしまうと水道業者さんに修理を依頼しなければなりませんので

そうならないために予め凍結を防ぐ対策が重要となってきます。

 

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凍結の予防

水道管や蛇口に、布などを巻き付けて熱が逃げないようにします。

メーターボックスの中も凍りやすいので、布を詰めたりして忘れずに保温してください。

 

凍結してしまったら

布などを巻き付けた部分にぬるま湯をゆっくりとかけてください。

この時熱湯を使用するのは厳禁です。水道管が破裂する恐れがあります。

 

水道管が破裂してしまったら

破裂箇所から水が噴き出してしまいますので、まずは水道管の元栓を閉めてください。

元栓は一般的に水道メーターの隣にあります。

トイレも含め、室内の水が一切使えなくなりますのでご注意ください。

その後、水道業者さんや水道局に修理を依頼してください。

 

水道管が破裂するような気温の場合、

近隣の地域で同様に破裂トラブルが多発している可能性があり、

水道業者さんが手いっぱいで修理が遅れてしまうことがあります。

そうならないよう水道管を凍結させない予防が重要です。

マンションですと共用の散水栓以外の水道管はパイプスペース内で保温ラッキングされていることがほとんどですが

経年劣化でラッキングが破れて水道管が一部露出していると

凍結の原因となりますのでご注意ください。

受水槽方式から直結給水方式への切り替え

2022年12月28日 / カテゴリ:マンションの老朽化, マンション自主管理, 長期修繕計画

マンションの築年数が20年を経過すると、様々な設備の交換が必要となります。

給水設備である受水槽もその一つです。一般的な受水槽の耐用年数は20年~30年程度、

受水槽から各戸へ水を送る為の加圧ポンプは10年程度と言われています。

更には年1回の受水槽清掃や、水質検査にも費用が発生する為、受水槽の維持に掛かる費用は

管理組合にとって大きな負担となります。

受水槽

 

受水槽方式には以下の2通りがあります。

受水槽加圧ポンプ給水方式

・受水槽に貯めた水を加圧ポンプで各戸に送る

・受水槽、加圧ポンプの故障時に交換が必要

・受水槽は年1回の清掃と検査が必要

・断水の際は受水槽に貯まっている水を各戸に供給できる

・停電の際はポンプが停止すると使用できない

 

受水槽揚水ポンプ高架水槽給水方式

・受水槽に貯めた水を揚水ポンプで屋上の高架水槽まで上げて、落ちてくる水の勢い

 利用して各戸に給水する方式で、高層マンションや、経年マンションに多い。

・受水槽、揚水ポンプ、高架水槽の故障時に交換が必要。

・受水槽、高架水槽は年1回の清掃と検査が必要。

・受水槽と高架水槽を経由する為、衛生面に注意が必要。

・断水の際は受水槽、高架水槽に貯まっている水を各戸に供給できる。

・停電の際にも高架水槽に貯まっている水を使用できる。

高架水槽

 

給水設備にかかる支出をできるだけ抑える為の方法として、受水槽に水を貯めずに

本管から引き込んだ水を各戸に給水する『直結給水方式』があります。

 

この方式に変えれば、受水槽に掛かるメンテナンス費用や交換費用は今後発生しませんし、

受水槽を介さないので水質も衛生的です。更に3階程度の低層マンションで、本管からの

水圧のみで各戸に水を送ることができる場合は、ポンプの設置も不要となり、

ポンプに掛かる費用も削減できます。

 

直結給水方式には以下の2通りがあります。

直結直圧給水方式

・水道本管から引込管を通り各戸に水が供給される。本管からの水圧のみ水を送る為、

 主に低層マンションが対象となる。

・設備が一切無いので、維持費用が不要。

・本管の水が直接供給される為衛生的。

・断水時は水を使用できない。

・停電時でも使用できる。

 

直結増圧給水方式

・水道本管からの水を増圧給水ポンプで各戸に供給する。

・増圧給水ポンプの故障時に交換が必要。

・各自治体の条例により、年1回以上の増圧給水ポンプの点検が必要。

・本管の水が直接供給される為衛生的。

・断水時は水を使用できない。

・停電時は本管からの水圧で送水可能な低層階のみ使用できる。

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受水槽方式と直結給水方式の特徴を比べると、直結給水方式の一番のメリットとして、

維持費用が安価であることです。デメリットとしては、水を貯める装置が無いので

断水時水が使用できませんが、これは各家庭や管理組合で飲料水を備蓄すれば良いと思います。

 

注意したいのは直結給水方式を導入できない場合があることです。

その地域の本管の水圧が足りない、マンションの世帯数が多すぎる、引込管が細すぎる等。

条件が揃うと5階建てのマンションでも直結直圧給水方式が可能な場合があります。

検討の前に、まずは導入できるかどうか管轄の水道局や水道工事業者にご相談ください。

リモートで理事会・総会を開催するには

2022年11月28日 / カテゴリ:web会議, マンション管理, 総会・理事会

新型コロナウイルスによる影響も若干落ち着いてはきましたが、

弊社管理物件の一部では今も尚理事会の開催を見送ったり、

総会を書面決議で開催したりといった組合活動の自粛がございます。

そんな状況の世の中、注目されているのがITを活用した組合活動です。

 

令和3年6月の標準管理規約の改正においても、「ITを活用した理事会・総会」すなわち、

リモートでの理事会・総会の開催が可能であることが明確化され、

これにあわせて留意事項等が記載されました。

 

標準管理規約とは、各管理組合がマンションの維持・管理や生活する上での

 ルールを定めた管理規約を、作成・変更をする際の参考になるよう、

 国土交通省が作成したものです。

 

管理組合がリモートでの理事会・総会を開催するためには、以下の準備が必要です。

 

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管理規約の改正

まずは管理組合がリモートでの理事会・総会を開催可能であることを

あらかじめ管理規約に明記するために、規約を総会で改正しておく必要があります。

令和3年6月に改正した標準管理規約の第2条十及び十一、第38条コメント、

第43条及び同条コメント、第47条及び同条コメント、第52条コメント、

第53条及び同条コメントが参考になります。

 

IT環境の構築

リモートでの理事会・総会を開催するためには、以下のものが必要になります。

1.パソコン・スマートフォン・タブレット等の端末

2.インターネット回線

3.WEB会議アプリ

4.カメラ、音響機器、モニター等(リモートとリアル理事会・総会開催を併用する場合)

 

リアル理事会・総会とは、マンションの集会室や公民館等の会場で開催する

一般的な形式の理事会・総会を指します。

リモートでの理事会・総会はどこにいても参加できることが最大のメリットですが、

ITの使い方がわからない方や、Wi-Fi環境が無くインターネット接続料に

抵抗を感じる方もいらっしゃる可能性がありますので、現状では

リモートとリアルを併用する理事会・総会の開催が望ましいといえます。

 

今後さらに発展するIT技術の活用に向けて、

今から管理組合で少しずつ準備してみてはいかがでしょうか。

マンションの駐車場にEV充電設備を

2022年10月28日 / カテゴリ:マンション, マンション管理, マンション自主管理, 管理組合

 

世界的にEV技術が発展している中、日本国内でも買える電気自動車の選択肢が増えはじめています。

日本政府は、2035年までに乗用車新車販売における電動車の比率を100%とする目標を掲げており、今後はこれまでのガソリン車に変わって電気自動車(EV)が主流となっていきます。

マンションにおける充電設備等サービスの選択肢は資産価値に繋がるのか。基礎充電のための充電設備拡充が大事な課題なのか。これもまた、選択肢の一つではないでしょうか。

 

EV

 

電気自動車の充電設備を設置するなら

 

充電器の種類には、出力が高く短時間で充電が完了する「急速充電器」と、出力は低めで数時間の充電時間を必要とする「普通充電器」の2種類がありますが、急速充電器は広い設置場所が必要で導入費用も多くかかるため、主に高速道路のSA/PAや道の駅などに設置され、緊急時などの継ぎ足し充電に利用されます。

マンションのように生活の拠点となる場所には普通充電器の設置が適切と言えるでしょう。

 

 

マンションに充電設備を設置する場合、管理組合の合意が必要

 

「そもそも設置するかどうか」といった議論はもちろん、設置費用は誰がどれだけ負担するか、利用ルールはどうするか、設置後の電気代はどう徴収するか、などについて話し合って合意を得なければなりません。

たとえば充電にかかる電気代は「充電した人がその場で決済」という方式を採用すれば、クルマを持っていない住民やEVを所有していない住民にも設置を受け入れてもらいやすくなるでしょう。

 

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電力供給の契約を変更する必要があるか検討

 

充電設備は大きな電力を消費するため、契約電力・電気容量を確認することが非常に重要となり、電気容量が不足した状態で充電器を設置すると、共用部分の電気設備の停電を招く恐れがあります。

変圧器の取り換え、幹線の引換えなどの工事が発生する可能性があります。

 

 

充電設備の運用に要する費用

 

充電設備の運用に要する費用については、大きく分けて、電気料金と管理費用の2つがあります。

電気料金については、充電設備の利用者から徴収することを基本としつつも、様々な方法が考えられます。

1.電力量ごとに料金を定める

2.利用時間に応じて料金を定める

3.定額制

 

また、管理費用については、保守契約費用や充電器の交換費用などがあります。

保守契約費用については、月当たり数千円から数万円まで保守契約の内容によって様々です。

充電設備の利用料金の徴収方法は複数あり、昨今ではこうした運用面のサービス提供を行う事業者も多く、それぞれの組合の事情を踏まえながら徴収方法を検討されることをお勧めします。

 

 

 

導入する上で、補助金等様々な課題が多くありますがEVの普及に向けて取り組みを進めていきたいものです。