冬になると火災が多くなると言われています
冬に火事が多いとよく言われますが、本当に火事は冬に多いのでしょうか?
消防庁が季節ごとの出火件数をまとめたデータを見ますと、空気が乾燥する12~2月の冬季で
全体の出火件数のうち3割近くの火災が発生し、また同様に空気が乾燥している
3~5月の春季も全体の出火件数のうち3割を占めています。
つまり、空気が乾燥する季節だけで年間出火件数の6割に火災が発生している事がわかります。
空気が乾燥し、暖房器具などの使用が増える冬季に気をつけたい火事。
火事発生の仕組みや原因を知って、火事予防に努めましょう!
「物が燃える3要素」とは
そもそも物が燃えるには、(1)燃える物、(2)新しい空気、(3)一定以上の温度の3要素が必要になります。
ある物が空気に触れている状態で、だんだん温度を上げていき、ひとりでに燃え始める温度を発火点といいます。
一方、火を近づけた時に物に火がつくことを引火といい、その最低温度を引火点といいます。
特に注意したいのが植物油。てんぷらなどで使う植物油は、7分程度の加熱が調理にちょうど良いとされていますが、
加熱してから15分程度でマッチを近づければ火がつく引火点に達し、かなりの煙が発生します。
そして5分足らずで発火点に達し、火種がなくともひとりでに火がついてしまうのです(油量500ccの場合)。
また、成分に特徴のある油や古い油はより早く発火点に達しやすいので、さらに注意が必要です。
死者の発生した住宅火災の主な原因は、たばこ、ストーブ、こんろです。
こららの火災を起こさないために「4つの習慣・6つの対策」を心がけましょう。
マンションに設置されている消火設備の使い方や設置場所を確認することも大切になります。
消火器の使用方法
動作は次の3つです。
まずは落ち着いて、炎や煙に惑わされないように注意し、燃えている火元を確実に狙うことが大切です。
再燃防止のため水をかけて火種を絶つ(天ぷら油など油火災を除く。)ことも忘れないでください。
消火器の性能について
消火器本体(住宅用消火器は除きます。)には次のように「白色」、「黄色」、「青色」の表示がされています。
この表示されている色によってその消火器がどのような火災に使用することができるかが分かります。
屋内消火栓設備(1号消火栓)の使用方法
最初に起動ボタンを押さないとポンプが起動しないため、この後の作業をいくら正確にやっても
水がまともに出ません。
ポンプが起動すると点灯している赤色灯が点滅。火災報知器が連鳴し、防災センターへ通知されます。
早期に火災を発見したにもかかわらず、屋内消火栓設備の使用方法が分からず、
建物全体に火災が拡大し手遅れになった事例があります。
有事の際、効果的な使用ができるように、常日頃から屋内消火栓設備の設置場所や
使用方法を確認しておくことが重要です。
消防訓練や防火教育を通して屋内消火栓設備の取り扱いの向上に努めていきましょう。
マンションの消防設備点検は、どんなことをするの?
消防法では年2回有資格者による消防設備機器の点検を行う事が定めれています。
1年に1回、実際に消防設備を作動させる総合的なテストを実施し、その結果は、
消防署へ届け出ることを義務付けています。点検の結果を報告しなかったり、
虚偽の報告をした場合には罰せられます。
また、6ヶ月に1回消防設備の適正な配置、破損の有無などを外観から点検します。
(消防法第17条の3の3)
マンションでは、具体的にどんなことをするのでしょうか?
消火器、消防ポンプ、自動火災報知機、避難器具、誘導灯などの点検を行います。
届出と数があっているか、使用できるかを確認し、実際にお部屋に入っての点検は、
機器点検の年2回になります。
火災の時に、消防設備等が故障していると発見が遅れたり、消火に支障が出て被害が
大きくなります。そのため設備が正しく機能するかを日頃から定期的に点検し確認す
る必要があるのです。
設置が義務付けられている消防設備は色々あります。
●早く発見するための警備設備
自動火災報知機
ガス漏れ火災報知機
火災通報装置
非常警報器具
●消化するための消火設備
消火器
屋内・屋外消火栓設備
スプリンクラー設備
粉末消火設備
●避難するための避難設備
避難器具(はしご・救助袋・滑り台)
誘導灯
誘導標識
非常照明
●その他の設備
排煙設備
連結送水管
非常コンセント設備
無線通信補助設備
マンションの建物によって設備は様々です。