マンションを購入したら必要になる維持費とは
マンションを購入するとかかってくるのが「維持費」
戸建てにも同様のことが言えますが
マンションと戸建てではかかる費用に違いがあります。
マンションでは、どのような費用がいくら位かかってくるのでしょうか?
一般的にかかる維持費には以下のようなものがあります。
管理費
マンション共用部分の清掃費用や
電気代、水道料金、管理員の人件費
エレベーターや貯水槽などの定期点検やメンテナンス費用
共用部分の火災保険や損害保険料など
日常的な維持コストをまかなうために毎月支払う費用で、管理組合が集めます。
ちなみに私ども管理会社に支払っているのは管理費ではなく「管理委託費」で
管理費の中から支払われます。
金額はマンションによって様々ですが
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果」によると
ファミリータイプの70平方メートルの住戸の場合
平均月額は16,107円になるそうです。
修繕積立金
日常的な修繕以外で、長期修繕計画書に記載された
大きな工事を行う際にかかる費用に充てるお金です。
凡そ12~15年ごとに実施される大規模修繕工事や
給排水設備、機械設備等の計画修繕の際に支出されます。
管理費と一緒に毎月管理組合が集め
計画修繕の実施まで積み立てておきます。
国土交通省の「令和5年度 マンション総合調査」によると
全国平均で1戸あたり13,054円です。
共用部分の専用使用料
マンション敷地内にある駐車場や駐輪場の使用料や
お部屋に専用庭やルーフバルコニーが付帯されていれば
その使用料を管理組合に支払います。
こちらも管理費と一緒に毎月管理組合が集め
管理費会計の収入として扱われることが多いです。
固定資産税・都市計画税
マンションなどの不動産を所有しているとかかる地方税で
市町村(東京23区は東京都)に納税します。
毎年1月1日時点での所有者に課税されますので
購入した年の固定資産税は売主に課税されます。
物件によって税額が異なりますが
一般的な住宅であれば年に数万~20万円程度が目安です。
マンションの場合、新築当初5年間(認定長期優良住宅に該当すると7年間)は
税額が半分になります。
保険料
火災保険や地震保険は
マンションの区分所有者がもつ専有部分で
火災や地震の被害があった場合に備える保険です。
個人賠償責任保険にも加入していると
漏水事故による階下の被害などにも備えられますので
加入をお勧めします。
火災保険料は、物件の種類や補償内容によって
保険料が異なります。
マンションの場合、だいたい年3万円程度を
目安にするといいと思います。
地震保険を付加すると保険料はアップします。
また、地震保険は国と民間の保険会社が
共同で運営している保険のため
どの保険会社でも補償内容や保険料が一緒です。
将来のリフォーム費用
専有部分はオーナーの所有になるため
将来のリフォーム資金は自分で確保しなければなりません。
特に水廻り(浴室・トイレ・キッチン・洗面所)は劣化しやすいことから
大体15年~20年を目安に
リフォームを検討することが多いです。
水廻りのリフォーム費用は交換する設備のグレードにもよりますが
200~400万円位かかりますので
自身のライフプランに組み込んで
予め資金を少しづつ貯めて備えておくといいと思います。
このように、マンションの購入資金だけでなく
購入した後もさまざまな維持費がかかってきます。
無理をした住宅ローンを組んでしまうと
その後の維持費が重い負担となってしまいます。
「こんなはずじゃなかった」と後悔する前に
そのマンションではどの位の維持費がかかるのか?
継続的に支払っていけるのか?を
十分に調べた上で購入を検討し
無理のないライフプランを形成しましょう。
マンションの生活音について
私もマンションの管理会社という立場から
居住者の方から色々なご相談を受けますが
ご相談で最も多いのは音に関するもので
なかでも子供の声や足音、床を通した下階への騒音・振動等
「生活音」の問題が多いと感じています。
お部屋の床をリフォームする際
こういった「生活音」で近隣に迷惑をかけない為に
床材の選定は重要になってきますが
最近のフローリング床は
緩衝材でかなりのレベルの騒音を下げることができるようになっています。
また、防音タイプの床材なら
階下に伝わる音を更に低減します。
例えば椅子を引く音や、物を落としたときのような
軽くて硬い音などの伝わりをやわらげることができます。
床材には遮音等級という基準があり
これにより階下への遮音性能がわかります。
Lー〇〇といった表記となっており
数字が低いほど遮音性能が高くなっていますのでご注意ください。
下記はリフォームの場合の基準(遮音等級)となります。ご参照ください。
また、マンションで床のリフォームする際には
マンションごとに最低限の遮音等級が定められている場合もありますので
床材選定の前に管理会社や管理組合に確認しましょう。
ただ、いくら遮音性能が高い床材を使用していても
音の聞こえ方は人それぞれですので
小さな音でも気になる人は気になります。
何かの作業の音など、音の原因がはっきりしている場合は
話し合いなどで解決できるケースもありますが
足音や普段の話し声など「通常の生活音」が響く場合は
なかなか解決できない状況に陥り難しい問題となります。
困っている気持ちを伝えるのが一番ですが
どうしても直接言えない場合は
管理会社(管理組合)に相談して
名前や階数を特定せずに全世帯へのお願いとして
掲示することも一つの手段です。
マンションは共同住宅ですので
すぐ隣には別の方が生活されています。
生活音は当然聞こえてくるものだし
相手にも聞こえると認識することが大事だと思います。
また、こういったトラブルになる前に
日頃から近隣とのコミュニケーションは何より大切にしましょう。
顔見知りの人が出す生活音は意外と気にならないものです。
リフォームを行う際の注意点
国土交通省によれば2023年末での
築40年以上のマンションストック数は約136.9万戸で
年々右肩上がりで増え続けており
10年後には約2倍、20年後には3.4倍にまで増加する見込みとのことです。
それに伴い、築年数がある程度経過したマンションで
リフォームを行う部屋も年々増え続けています。
管理規約や使用細則がしっかり整備されたマンションでは
お部屋のリフォームを行う際のルールが明確に定められている場合が多く
管理組合や近隣との無用なトラブルを避けるためにも
ルールは遵守しなければなりません。
今回は、マンションでリフォームを行う際の
一般的な手順をご紹介したいと思います。
集合住宅であるが故に戸建て住宅のように自分の都合でなんでも自由に
という訳にはいきませんので、ご注意ください。
①まずは、行いたいリフォームの内容が
管理規約や使用細則に違反していないかを確認し
内容に問題があるようなら改善しましょう。
よくあるのは、フローリング張り替えの際に遮音等級が基準値以下であったり
禁止になっている壁の開口を行う内容になっている、などです。
(遮音等級については基準を設けていない場合もあります)
工事可能な曜日や時間が定められている場合もありますので
よく確認しましょう。
②次に、工事申請書を作成し管理組合に提出します。
申請書の書式は管理組合で作成していることが多いです。
たとえお部屋のリフォームであっても
事前に工事申請をして管理組合から許可をもらわなければ
工事を始めることはできません。
工事内容によっては
申請書と併せて設計図、工事仕様書、工程表が求められる場合もありますので
管理会社や管理員に確認して必要であれば準備しましょう。
提出期限が定められている場合も多いので
余裕をもった工事プランを作成しましょう。
③管理組合から許可がおりたら
工事の前にお知らせの掲示配付や近隣へのご挨拶をしましょう。
工事期間中は工事業者が共用廊下やエレベーターに出入りしたり
資材の搬出入をしたりして
他の居住者の生活に少なからず影響がありますので
工事業者に依頼してお知らせは必ず作ってもらいましょう。
また、工事に伴う音や振動・臭い等で
近隣にご迷惑をおかけする可能性がある場合は
近隣へご挨拶をしておきましょう。
(これも工事業者がおこなってくれる場合がほとんどです)
また、工事の実施に近隣住戸の承諾が必要な場合もありますので
その確認も忘れずしましょう。
弊社にも、時々お部屋の工事に対する
ご相談がくることがあります。
「夜勤のため日中寝ているが、工事の音がうるさくて眠れない。」
「テレワークに支障がでている。」など
音に関する内容が多いです。
工事の音はお互い様の面がありますが
近隣にご迷惑をおかけしていることは事実ですので
必ず事前にご挨拶に行き
音などでご迷惑をおかけする旨の説明は行いましょう。
リフォームはお部屋の中が新しくなり、嬉しいことです。
在らぬトラブルでその気持ちが台無しにならないように
事前の準備は入念に行いましょう。