マンションお役立ち情報

機械式駐車場の維持管理

2024年5月30日 / カテゴリ:マンション管理, 設備の管理

地方都市や郊外のマンションでなくてはならないものとして駐車場があげられますが

マンションによって色々なタイプの駐車場が設けられています。

 

主な駐車場のタイプをあげますと

 

平面式駐車場・・・一番オーソドックスでシンプルな駐車場。

敷地の空きスペースなどを利用して、白線を引いて区画を設け

その区画ごとに駐車します。

広い敷地を必要としますので

地方都市のマンションや郊外のマンションなどでよく利用されています。

マンションの敷地の路面に直接駐車しますので

メンテナンスの費用はほとんどかかりません。

(アスファルトや白線の引き直し位でしょうか)

 

立体自走式駐車場・・・平面式駐車場をさらに有効活用し

2層3段、3層4段というようにフラットな駐車場と

車が上下階に出入りするスロープなどを組み合わせた駐車場です。

平面式駐車場と同じように平面区画に駐車ができますが

より多くの台数の車を収納することが可能で

また機械式駐車場に比べて設備のメンテナンス費用が安くなる傾向があります。

大規模なマンションに設置されている方式です。

 

 

機械式駐車場・・・狭い空間を有効利用することを目的として普及してきた形態です。

2段パレット、3段パレットといったように

パレット(車が乗る台)が機械操作により上下あるいは左右に移動することにより

車の出し入れを行います。

操作盤を利用して自身の車の入っているパレットを呼び出して

車の出し入れを行います。

 

この中でも、機械式駐車場は狭い空間で多くの車が停められるため

「容積率いっぱいにマンションを建てたい」

「建築の条件で戸数分の駐車場を設ける必要がある」

といった理由により広く普及されてきましたが

大なり小なりいろいろなデメリットがあります。

 

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維持管理費用が高額

機械式駐車場には多くの部品が組み込まれています。

パレット、制御盤、モーター、チェーン、ベアリングなどなど・・・

当然ながらその部品も少しずつ劣化していきます。

その部品交換費用がかなり高額です。

例として、今から5年程前に

あるマンションの6パレット、計16台駐車可能な機械式駐車場で

モーターとその他部品(リミットスイッチ、落下防止ソレノイド)を交換したところ

およそ350万円程の費用が掛かりました。

もちろん、部品はそれだけではないので

他の部品も交換時期が来たら順次交換する必要があります。

また、部品の交換以外にも保守点検の費用がかかります。

上記部品交換を行ったマンションでは

年間22万円程の点検費用が発生しています。

もっとも、法定点検ではない為

必ずしも実施しなければならないことはありませんが

事故防止の観点からも

点検による出費はやむを得ないところではあります。

 

高さ制限がある

分譲マンションで一般的となっている

2段、3段ピット式の機械式駐車場の場合には

最上段に停めている車には高さ制限はありませんが

中段以降には高さ制限があります。

築年が経過したマンションですと、中段以降の高さ制限が厳しく

今時の軽自動車でも入庫出来ないことが多いです。

この高さ制限のために空き駐車場が増え

駐車場収入が思うように入らないマンションも多いです。

 

入出庫するまで時間がかかる

駐車位置によっては、車を実際に入出庫させるまでに

数十秒から数分の時間を必要とすることから

利用者が不満を抱くケースも多いようです。

 

以上でもっとも頭を悩ませるデメリットとすれば

高額な維持管理費用ではないでしょうか。

対策として駐車場使用料の見直しや

マンション外の方に貸す「外部貸し」などで

収入を増やす方法があげられますが

値上げには限界もありますし

「外部貸し」は法人税を納めなければならない場合もありますので

簡単には解決しません。

ひとつの解決策として

弊社の管理マンションで機械式駐車場の埋め戻しを行ったところが幾つかあります。

機械を全て撤去して土や砂利などで空間を埋め、コンクリートを敷き

平面式駐車場にしました。

工事費用は掛かりましたが

コンクリートなので今後維持管理費用はかかりません。

現在機械式駐車場を利用されている方の理解を得ることは容易ではありませんが

維持管理費用でお悩みでしたら

埋め戻しも一つの案として考えてみてはいかがでしょうか。

管理組合としての個人情報保護

2024年3月15日 / カテゴリ:マンション管理

管理会社に業務委託しているマンションでは

一般的にマンションの居住者の個人情報は

「個人情報保護法」に基づいて管理会社が管理しています。

しかし、自主管理のマンションだったり

管理会社に委託していても災害時に備えて居住者名簿を理事会が保有する等

管理組合が管理することもあるでしょう。

この場合には、個人情報やプライバシーの保護を厳守して

第三者に情報が流出しないよう取り扱いに十分注意したいものです。

 

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「個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)」は

個人の権利利益を保護することを目的として定められた法律で

個人を識別できる情報を多く取得する立場にある事業者を管理するための法律です。

2017年5月の法改正により

「取り扱う個人情報の数が5000人以下である事業者を法規制の対象外」

としていた制度が廃止され

マンションの管理組合も例外なく個人情報保護法の対象となりました。

管理組合が扱う個人情報には、一般的に

居住者の「氏名」「住所」「連絡先」等が記載された居住者名簿や

滞納者の情報等がありますので

理事会で保有する際には第三者に情報が漏れないよう注意してください。

 

また、プライバシー保護の観点でいえば

理事会活動のなかで、理事はマンションの居住者の職業や

交友関係などを知る機会があると思います。

居住者のプライベートな情報を議事録に記載して

それを全戸に配布したり、掲示したりすることは

個人のプライバシーを侵害するおそれがありますのでやめましょう。

理事会の業務は、あくまでもマンション共用部分の管理を目的としたものであり

居住者のプライベートについては基本関わるべきことではありません。

しかしながら、理事会の業務の中で

自然と知りえる情報もあると思います。

「個人情報保護法」の遵守は当然のことですが

居住者のプライバシーに関する事柄についても

その取扱については十分に配慮をおこなうことが重要です。

支払督促の注意点

2023年11月28日 / カテゴリ:マンション管理, 修繕積立金, 管理費

マンションを健全に維持管理していくためには

管理費や修繕積立金(以下「管理費等」)の資金はとても重要ですが

管理で頭を悩ます問題に管理費等の滞納があげられます。

管理費等はそれぞれのマンションで毎月決められた日に

決められた金額を入金いただくのが原則ですが

残念ながら入金が滞る方は一定数おられます。

滞納者のなかには数か月、数年単位で滞納する方もいるので

管理組合はマンション維持管理の資金を確保するために

滞納した管理費等を回収しなければなりません。

回収の方法としては督促状の送付や電話での督促等さまざまですが

なかには注意が必要な方法もあります。

 

以前、別の管理会社から弊社に管理を変更して頂いた管理組合の理事長から聞いた話ですが

以前の管理会社に滞納者への回収方法として「支払督促」を勧められたため

それに応じたところ、滞納者から支払えないとの異議申し立てがあり

そのまま自動的に通常訴訟へ発展、裁判所に行かなくてはならなくなり困った、

ということがあったそうです。23485419_m

 

「支払督促」とは、債権者からの申立てに基づいて

簡易裁判所の書記官が債務者に金銭の支払いを命じる制度です。

あまり費用をかけずに裁判所からの支払い命令を得ることができ

強制執行もできるようになりますが、

債務者から異議申し立てがあると、そのまま通常訴訟へ発展してしまうデメリットがあります。

そうなると弁護士を探す時間もあまりありませんので

代表者である理事長が裁判所へ行かなくてはならなくなります。

そうならないように、支払督促を行う場合は事前に弁護士に相談する等

異議申し立てに備えることが重要です。

 

ちなみに、滞納があるお部屋が売却された場合でも滞納は消滅せず

次の所有者(特定承継人)に引き継がれますが

管理費等は5年で時効を迎えてしまいますので

時効を迎える前に法的措置をおこない、時効を更新するよう心がけましょう。

管理に係る重要事項調査報告書について

2023年5月22日 / カテゴリ:マンション管理

中古マンションを売買する際は、仲介会社から重要事項説明書が発行され

内容について説明がありますが

その内容の多くは管理会社が仲介会社に発行する

「管理に係る重要事項調査報告書(以下「調査報告書」)」を

参考に作成されています。

 

調査報告書は、利害関係者、つまり中古マンションの購入希望者から

マンションに関する重要な事柄について照会があった際に

管理会社が発行するマンションに関する資料のことです。

※自主管理マンションの場合、理事会役員の方が作成している

 もしくは作成自体していないケースもあります。

 

調査報告書の内容は管理会社によって違いがありますが

弊社が所属しているマンション管理業協会作成の調査報告書記載例には

次のような項目があります。

・建物に関すること(竣工年月、共用部分の範囲、持分など)

・管理組合に関すること(収支状況、滞納状況、借入金の有無、総会・理事会の活動状況など)

・共用部分で加入している保険に関すること

・駐車場、駐輪場に関すること

・管理費、修繕積立金、各種使用料に関すること(対象住戸の滞納の有無、値上げ予定など)

・修繕履歴に関すること

・マンションのルールに関すること(ペットの制限、楽器等音の制限、リフォームの制限

 民泊の制限など)

・管理員、管理会社に関すること(勤務体系、連絡先など)

 

その他に、電力一括受電に関すること、アスベストに関すること、耐震診断に関すること

テレビ視聴に関すること、インターネットに関することや

最近ですと、管理計画認定制度に関すること、マンション管理適正評価制度に関することも

記載項目となっており

実に多様な項目が記載されています。

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調査報告書をみれば、マンションの運営状況がよくわかります。

通常契約を取り交わす前に、仲介会社は調査報告書を取得しているはずですが

発行には手数料が掛かる場合がほとんどですので

仲介会社の中には調査報告書を取得しなかったり

契約が決まらないと取得しないといったこともあります。

その場合、大概は所有者の方に事前に管理組合の収支状況や

ルール等をヒアリングしていると思いますが

そのマンションのことを知らずに

買い手希望の方に案内している可能性もあるので注意しましょう。

また、マンションの運営状況もルールも日々変化しますので

買い手希望の方は購入前に調査報告書の発行時期を

最新であるか確認することが望ましいです。

 

購入後のトラブルを避けるために

マンションの情報は仲介会社に出来るだけ確認するようにしましょう。

リモートで理事会・総会を開催するには

2022年11月28日 / カテゴリ:web会議, マンション管理, 総会・理事会

新型コロナウイルスによる影響も若干落ち着いてはきましたが、

弊社管理物件の一部では今も尚理事会の開催を見送ったり、

総会を書面決議で開催したりといった組合活動の自粛がございます。

そんな状況の世の中、注目されているのがITを活用した組合活動です。

 

令和3年6月の標準管理規約の改正においても、「ITを活用した理事会・総会」すなわち、

リモートでの理事会・総会の開催が可能であることが明確化され、

これにあわせて留意事項等が記載されました。

 

標準管理規約とは、各管理組合がマンションの維持・管理や生活する上での

 ルールを定めた管理規約を、作成・変更をする際の参考になるよう、

 国土交通省が作成したものです。

 

管理組合がリモートでの理事会・総会を開催するためには、以下の準備が必要です。

 

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管理規約の改正

まずは管理組合がリモートでの理事会・総会を開催可能であることを

あらかじめ管理規約に明記するために、規約を総会で改正しておく必要があります。

令和3年6月に改正した標準管理規約の第2条十及び十一、第38条コメント、

第43条及び同条コメント、第47条及び同条コメント、第52条コメント、

第53条及び同条コメントが参考になります。

 

IT環境の構築

リモートでの理事会・総会を開催するためには、以下のものが必要になります。

1.パソコン・スマートフォン・タブレット等の端末

2.インターネット回線

3.WEB会議アプリ

4.カメラ、音響機器、モニター等(リモートとリアル理事会・総会開催を併用する場合)

 

リアル理事会・総会とは、マンションの集会室や公民館等の会場で開催する

一般的な形式の理事会・総会を指します。

リモートでの理事会・総会はどこにいても参加できることが最大のメリットですが、

ITの使い方がわからない方や、Wi-Fi環境が無くインターネット接続料に

抵抗を感じる方もいらっしゃる可能性がありますので、現状では

リモートとリアルを併用する理事会・総会の開催が望ましいといえます。

 

今後さらに発展するIT技術の活用に向けて、

今から管理組合で少しずつ準備してみてはいかがでしょうか。