管理に係る重要事項調査報告書について
中古マンションを売買する際は、仲介会社から重要事項説明書が発行され
内容について説明がありますが
その内容の多くは管理会社が仲介会社に発行する
「管理に係る重要事項調査報告書(以下「調査報告書」)」を
参考に作成されています。
調査報告書は、利害関係者、つまり中古マンションの購入希望者から
マンションに関する重要な事柄について照会があった際に
管理会社が発行するマンションに関する資料のことです。
※自主管理マンションの場合、理事会役員の方が作成している
もしくは作成自体していないケースもあります。
調査報告書の内容は管理会社によって違いがありますが
弊社が所属しているマンション管理業協会作成の調査報告書記載例には
次のような項目があります。
・建物に関すること(竣工年月、共用部分の範囲、持分など)
・管理組合に関すること(収支状況、滞納状況、借入金の有無、総会・理事会の活動状況など)
・共用部分で加入している保険に関すること
・駐車場、駐輪場に関すること
・管理費、修繕積立金、各種使用料に関すること(対象住戸の滞納の有無、値上げ予定など)
・修繕履歴に関すること
・マンションのルールに関すること(ペットの制限、楽器等音の制限、リフォームの制限
民泊の制限など)
・管理員、管理会社に関すること(勤務体系、連絡先など)
その他に、電力一括受電に関すること、アスベストに関すること、耐震診断に関すること
テレビ視聴に関すること、インターネットに関することや
最近ですと、管理計画認定制度に関すること、マンション管理適正評価制度に関することも
記載項目となっており
実に多様な項目が記載されています。
調査報告書をみれば、マンションの運営状況がよくわかります。
通常契約を取り交わす前に、仲介会社は調査報告書を取得しているはずですが
発行には手数料が掛かる場合がほとんどですので
仲介会社の中には調査報告書を取得しなかったり
契約が決まらないと取得しないといったこともあります。
その場合、大概は所有者の方に事前に管理組合の収支状況や
ルール等をヒアリングしていると思いますが
そのマンションのことを知らずに
買い手希望の方に案内している可能性もあるので注意しましょう。
また、マンションの運営状況もルールも日々変化しますので
買い手希望の方は購入前に調査報告書の発行時期を
最新であるか確認することが望ましいです。
購入後のトラブルを避けるために
マンションの情報は仲介会社に出来るだけ確認するようにしましょう。
リモートで理事会・総会を開催するには
新型コロナウイルスによる影響も若干落ち着いてはきましたが、
弊社管理物件の一部では今も尚理事会の開催を見送ったり、
総会を書面決議で開催したりといった組合活動の自粛がございます。
そんな状況の世の中、注目されているのがITを活用した組合活動です。
令和3年6月の標準管理規約の改正においても、「ITを活用した理事会・総会」すなわち、
リモートでの理事会・総会の開催が可能であることが明確化され、
これにあわせて留意事項等が記載されました。
※標準管理規約とは、各管理組合がマンションの維持・管理や生活する上での
ルールを定めた管理規約を、作成・変更をする際の参考になるよう、
国土交通省が作成したものです。
管理組合がリモートでの理事会・総会を開催するためには、以下の準備が必要です。
管理規約の改正
まずは管理組合がリモートでの理事会・総会を開催可能であることを
あらかじめ管理規約に明記するために、規約を総会で改正しておく必要があります。
令和3年6月に改正した標準管理規約の第2条十及び十一、第38条コメント、
第43条及び同条コメント、第47条及び同条コメント、第52条コメント、
第53条及び同条コメントが参考になります。
IT環境の構築
リモートでの理事会・総会を開催するためには、以下のものが必要になります。
1.パソコン・スマートフォン・タブレット等の端末
2.インターネット回線
3.WEB会議アプリ
4.カメラ、音響機器、モニター等(リモートとリアル理事会・総会開催を併用する場合)
リアル理事会・総会とは、マンションの集会室や公民館等の会場で開催する
一般的な形式の理事会・総会を指します。
リモートでの理事会・総会はどこにいても参加できることが最大のメリットですが、
ITの使い方がわからない方や、Wi-Fi環境が無くインターネット接続料に
抵抗を感じる方もいらっしゃる可能性がありますので、現状では
リモートとリアルを併用する理事会・総会の開催が望ましいといえます。
今後さらに発展するIT技術の活用に向けて、
今から管理組合で少しずつ準備してみてはいかがでしょうか。
マンションの駐車場にEV充電設備を
世界的にEV技術が発展している中、日本国内でも買える電気自動車の選択肢が増えはじめています。
日本政府は、2035年までに乗用車新車販売における電動車の比率を100%とする目標を掲げており、今後はこれまでのガソリン車に変わって電気自動車(EV)が主流となっていきます。
マンションにおける充電設備等サービスの選択肢は資産価値に繋がるのか。基礎充電のための充電設備拡充が大事な課題なのか。これもまた、選択肢の一つではないでしょうか。
電気自動車の充電設備を設置するなら
充電器の種類には、出力が高く短時間で充電が完了する「急速充電器」と、出力は低めで数時間の充電時間を必要とする「普通充電器」の2種類がありますが、急速充電器は広い設置場所が必要で導入費用も多くかかるため、主に高速道路のSA/PAや道の駅などに設置され、緊急時などの継ぎ足し充電に利用されます。
マンションのように生活の拠点となる場所には普通充電器の設置が適切と言えるでしょう。
マンションに充電設備を設置する場合、管理組合の合意が必要
「そもそも設置するかどうか」といった議論はもちろん、設置費用は誰がどれだけ負担するか、利用ルールはどうするか、設置後の電気代はどう徴収するか、などについて話し合って合意を得なければなりません。
たとえば充電にかかる電気代は「充電した人がその場で決済」という方式を採用すれば、クルマを持っていない住民やEVを所有していない住民にも設置を受け入れてもらいやすくなるでしょう。
電力供給の契約を変更する必要があるか検討
充電設備は大きな電力を消費するため、契約電力・電気容量を確認することが非常に重要となり、電気容量が不足した状態で充電器を設置すると、共用部分の電気設備の停電を招く恐れがあります。
変圧器の取り換え、幹線の引換えなどの工事が発生する可能性があります。
充電設備の運用に要する費用
充電設備の運用に要する費用については、大きく分けて、電気料金と管理費用の2つがあります。
電気料金については、充電設備の利用者から徴収することを基本としつつも、様々な方法が考えられます。
1.電力量ごとに料金を定める
2.利用時間に応じて料金を定める
3.定額制
また、管理費用については、保守契約費用や充電器の交換費用などがあります。
保守契約費用については、月当たり数千円から数万円まで保守契約の内容によって様々です。
充電設備の利用料金の徴収方法は複数あり、昨今ではこうした運用面のサービス提供を行う事業者も多く、それぞれの組合の事情を踏まえながら徴収方法を検討されることをお勧めします。
導入する上で、補助金等様々な課題が多くありますがEVの普及に向けて取り組みを進めていきたいものです。
マンションでは意外と多い騒音問題
マンションの騒音について理解し、自宅から騒音を出さないよう配慮して暮らすことは、
安心なマンションライフのために必要不可欠となります。
騒音の原因はドアの開閉、子どもが走り回る音や飛び跳ねる音、物の移動や落として出る
ドンドンという音など、その原因はさまざまです。
分譲マンションでは、簡単に引っ越すこともできないので深刻な問題となります。
しかし、多くの世帯が暮らすマンションでは、それぞれの生活リズムや考え方があるのは
もちろん、明らかにマナー違反をする住民もいて、簡単には解決できない問題ともいえます。
騒音で悩まされたらどうする?
1. 書面でお願いする
騒音元になっている方のポストへ手紙を投函して、書面でお願いするという方法です。
ご自分の部屋番号と氏名のほかに、「どんな音が気になるのか」・
「どの時間帯の音が気になるのか」を明記するのを忘れないでください。
原因がわからなければ、相手も対処しようがないので大事です。
あまり感情的な文面にしないのもポイントとなります。
2. 口頭でお願いする
書面と同じく、「どんな音が気になるのか」・「どの時間帯の音が気になるのか」と
いうことを伝えます。
やはり穏便に進めることをおすすめします。
3. 管理会社に相談する
騒音トラブルが発生した際は、直接管理会社に相談してみましょう。
騒音に悩まされているけれども、どこからかわからないという場合も
まずは管理会社に相談すると良いでしょう。
掲示板等に注意文を掲示する等の対応ができます。
分譲マンションでは、近隣住民との騒音トラブルに巻き込まれる可能性があります。
自分自身が騒音の発生源にならないように、夜間の掃除機・洗濯機使用を避けたり、
床や壁の防音対策を十分に講じたりするようにしましょう。
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「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の一部改正について
令和4年4月1日より「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の
一部改正が施行されます。
この改正は、マンションの適正な維持管理及び維持管理のための
資金面(修繕積立金)に焦点を当てた改正となっており、
その背景に大まかに以下の課題が存在しています。
1. 区分所有者の高齢化、非居住化により管理組合役員の担い手が不足。
2. マンション管理の専門化・複雑化により合意形成の困難さが増大。
3. 管理状況等に対する情報ニーズの高まりに対し、管理情報が不足。
4. 適切な長期修繕計画が策定されていない、又は修繕積立金の不足等により
必要な修繕がなされない懸念が発生。
又、その課題に対応するため国は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の一部改正が施行されます。
【改正に伴い改正された法律の概要】
1. 国土交通大臣は、マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針を策定
2. 地方公共団体による以下の措置を講じる
① マンション管理適正化推進計画制度
※基本方針に基づき、管理の適正化の推進を図るための施策に
関する事項等を定める計画を作成(任意)
② 管理計画認定制度
※マンション管理適正化推進計画を作成した地方公共団体は適切な
管理計画を有するマンションを認定
③ 管理適正化のための指導・助言等
※管理の適正化のために、必要に応じて、管理組合に対して指導・助言等
国の認識として、「老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止するための維持管理の適正化や
老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションの再生に向けた取組の強化が喫緊の課題」が
挙げられており、今後は地方公共団体が区域内のマンションの実態の把握を進めるとともに、
管理が適正に行われていないマンションへ必要に応じて指導・助言、専門家の派遣等による
支援を行う等、能動的に関与していく方向性を示しています。
区分所有マンションにおいては、適切に維持管理されない場合は戸建住宅に比べて、
周辺の住環境に与える影響(適切な管理が行われていない空家等が防災や衛生、景観面等)が
大きく、2019年7月に「空き家対策特別措置法」に基づく行政代執行により解体された例があります。
当社は、総合管理サービスにおいては勿論ですが、機関事務である
会計業務サービスにおいても経験や知識に基づく助言や総会への
オブザーバーとしての出席(有料)、管理規約の作成・変更(有料)も行っており、
それぞれの管理組合様の現状に応じたサービスを提供しております。
マンションの管理の適正化の推進に関する法律 マンションの管理の適正化の推進に関する法律 改正 令和2年
マンション管理適正化法 マンション管理適正化法施行規則 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行令 マンション管理適正化法
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