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総会、理事会の決議等の事例

2017年5月16日 / カテゴリ:総会・理事会

 

相談事例

 

1. 大規模修繕工事の実施を控えて専門委員会の設置を検討しています。  専門委員会の設置は、理事会決議でできますか。

 

回答

専門委員会の設置は、管理に関する事項と考えられるので、本来は総会の決議(普通決議)が必要になります。
ただし、管理に関する事項は規約に別段の定めをすることができますので、規約に専門委員会の設置を理事会の決議事項と規定することは可能です。
なお、マンション標準管理規約では、専門委員会は理事会で設置することができると規定されています。
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2. 臨時総会で議長を務める予定であった副理事長が総会を欠席したため、審議に入ることなく流会になってしまいました。
再度総会を開催するにあたって臨時総会の議案に変更はありませんが、この場合でも改めて議案書及び出欠票等を配付しなければならないのでしょうか。

 

回答

改めて開催する臨時総会に前回の出席者が出席できるとは限りませんし、その逆もまた然りです。
議案書も再度使用する前提で配付したわけではなく、現時点で全員が保管しているとも限りません。
よって、再度の総会を開催する際は、改めて議案書及び出欠票等の配付を要すると考えます。

 

 

3. 総会で修繕積立金を戸当たり平均月額2,000円値上げすることを提案したところ、一部の出席者から強い反対意見があり議案の審議が進まなくなってしまいました。
そこで出席者から値上げ幅を下げてはどうかとの意見が出たため、値上げ幅を1,800円に修正して改めて承認を諮ったところ賛成多数で承認されました。
このような総会決議は有効でしょうか?

 

回答

総会では、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができるとされています(区分所有法第37条第1項)ので、

本来であれば、議案上程している金額で理解が得られるよう説明し合意形成がなされるべきところですが、今回の場合、

修正された値上げ幅が上程している金額の範囲内ですし、1,800円になったことにより値上げの目的が達成できないという特段の事情もなさそうです。

そうだとすると、招集通知の内容から予見できる範囲の修正案といえますので、決議は有効であると考えます。 なお、修繕積立金の改定は、一般的には普通決議で実施できます。ただし、具体的な修繕積立金の額が規約に定められている場合は、規約の変更に当たり、特別決議が必要になりますので注意してください。

 

 

4. 通常総会で選任された理事により、総会終了後に互選により理事長、副理事長等を選出しましたが、転勤により理事長が転居(住戸を売却)することとなりました。この場合、副理事長が理事長に就任することで良いのでしょうか。 
なお、当マンションの規約は、現在のマンション標準管理規約に準じています。

 

回答

理事長の選任は、区分所有法第25条第1項では規約に別段の定めがない限り、集会の決議によって行うこととしています。標準管理規約の場合は、第35条に定めていますので、それに従うこととなります。
今回の場合、転居(住居を売却)により理事長は組合員としての地位を失い、理事長は不在となります。
理事長が不在の場合、標準管理規約では第39条に基づき、副理事長が、この間に理事長の職務を行うことはできます。しかし、この定めは、副理事長が自らの名前において業務を執行する為のものであり、副理事長が無条件で理事長に就任することが出来る規定ではありません。新理事長の選任は、改めて理事の互選で決定することとなります。
なお、規約で理事の人数を定めている場合は、今回の理事長の退任によって、役員の人数が不足することも考えられます。この場合は、臨時総会を開催し、補欠の理事の選任が必要となります。その場合は、新理事を含む理事の互選で新理事長を決定することとなります。
このような場合に備えて、管理規約に「役員が転出、死亡その他の事情により欠けた場合、補欠の役員を理事会の決議で選任することができる」と定めておくことも出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

マンション管理業協会 参照