ベランダでの喫煙は不法行為となるのか?
Xの真下に居住するYは、Yの居室ベランダで喫煙を継続、XやXの家族が手紙、電話、回覧等でベランダでの喫煙をやめるよう求めたが、Yはこれを無視し喫煙を継続した。
そのため喘息等の疾患のXが、体調を悪化させ、精神的肉体的苦痛を受けたとして不法行為による損害賠償請求をした。
【問題点】
Yがベランダで喫煙する行為は、Xに対する不法行為となるか。
喫煙は、個人の趣味であって本来個人の自由にゆだねられる行為であるものの、タバコの煙が喫煙者のみならず、その周辺で煙を吸い込む者の健康にも悪影響を及ぼす恐れのあること、一般にタバコの煙を嫌う人が多くいることは、いずれも公知の事実です。
マンションの専有部分やベランダ等であっても、マンションの居住者に害を与える程度によっては、制限すべき場合があり得る。
他の居住者に害を与えていることを知りながら、喫煙を継続し、何らこれを防止する措置を取らない場合は、喫煙が不法行為を構成することがあり得る。
マンションの使用細則がベランダでの喫煙を禁じていない場合であっても同様である。
Xの請求を一部認め、Yに対し損害賠償を命じた。
名古屋地方裁判所 平成24年12月13日判決
マンション収納方法 イロハとは
管理会社が管理組合から委託を受けて出納業務を行っていますが、一部の管理会社の管理費横領事件等により
管理組合の財産が損なわれる事態が発生しました。
よって、より毀損リスクの少ない、わかりやすい分別管理方法へ変更となったのです。
マンション管理業者は、「管理組合の財産を分別して管理しなければならない」と法律で決まっています。
その法律は、「マンション管理の適正化の推進に関する法律」と言い、略して「マンション適正化法」と呼んでいます。
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」も同時に定められています。
法律なので、難しい表現方法ですが、簡単に言うと
「区分所有者から徴収された管理費等を一時的な預貯金と修繕積立金の預金に分けて管理しましょう」と、
平成22年5月に改正されたということです。
管理費等の収納方法の流れは、
区分所有者の納入管理費等は → 一旦収納口座へ納入され、各種支払後 → 保管口座へ移し換え(保管口座は理事長名義)
預金通帳は、最低2口座となります。
収納口座に管理費と修繕積立金を一括して徴収し、毎月の光熱費や保守点検費・管理委託費等を差し引いた残りを保管口座へ
移し換えます。
これが、イロハの(イ)になります。
第87条第2項第1号 イ の方法
イロハの(ロ)は、
管理費と修繕積立金をはじめから分けて徴収します。
収納口座へ管理費を、保管口座へ修繕積立金を徴収し、毎月の光熱費や保守点検費・管理委託費等を差し引いた残りを保管口座へ
移し換えます。
イロハの(ハ)は、
管理費と修繕積立金を一括で徴収し、管理します。収納保管口座になり、管理組合の口座は1つしか持たないことになります。
安全措置として、徴収した管理費等を収納口座と保管口座に分け、翌月末日までに保管口座へ移し替えを原則としています。
また、一般会計と修繕積立金会計等、会計区分ごとの収支報告書等を、管理組合へ毎月定期的に書面で報告をしなければなりません。
これが、管理組合に対する管理会社の責任となります。
「暮らしのトラブルを解決するには!」マンションセミナー開催延期のお知らせ
11月6日(日)午前10時から開催予定の表題のセミナーにつきましては、恐れ入りますが諸般の事情により延期とさせて頂きます。
何卒ご了承の程よろしくお願い申し上げます。
マンションすまい・る債のご案内
現在、管理組合の修繕積立金の運用は、どのように行っていますか?
国土交通省が平成25年度に行った「マンション総合調査」では、修繕積立金の運用先と運用方法を調べています。
- 「銀行の普通預金」1,724回答79.6%
- 「銀行の定期預金」1,413回答65.2%
- 「銀行の決済性預金」496回答22.9%
- 「マンションすまい・る債」460回答21.2%
この回答から、修繕積立金は、マンションの大規模修繕工事、その他修繕のために区分所有者が毎月積立を行っていますので、適正かつ安全な資産運用が求められ、管理組合が将来の修繕に備え、比較的安全な運用を行っていることがわかります。
そこで、あまり耳にしない「マンションすまい・る債」について、少しご説明いたします。
「マンションすまい・る債」とは、マンション管理組合が行う修繕積立金の計画的な積立や、保管・運用をサポートするための債券のことで、住宅金融支援機構債権等の愛称です。
【特徴】
- 利息10年債で、毎年1回定期的に利息が支払われます
- 1口50万円から購入可能で、最大10回継続して積立可能
- 初回債券発行日から1年以上経過すれば換金可能
- 機構が国の許可を受け発行している債権
【要件】
この制度の対象となるマンションは、区分所有建物の分譲マンションです。
- 機構融資を利用し、共用部分の修繕工事を行うことを予定している管理組合であること(融資を受けない場合であっても違約金等は発生しません)
- 管理規約が定められていること
- 長期修繕計画の計画期間が20年以上であること
- 反社会的勢力と関係がないこと(反社会的勢力と関係がある管理組合はこの制度は利用できません)
【仕組み】
この制度において、債権の積立とは、原則マンション全体の1年あたりの修繕積立金額に、前年度決算における修繕積立金会計の残高を加えた金額の範囲内で機構が発行する債券を購入することができます。
購入した債券は、必ず機構が無料で保護預り(債権の保管)をします。
- 10年で満期となる「利付10年債」
- 利息は、年1回支払われ、年数が経過すると年平均利率が年々アップし、10年満期まで預けた場合、年平均利率0.080%
- 1口50万円で、申込口数に上限はありません
- 原則、同一口数で10回連続(毎年1回)の積立が行えます
- 大規模修繕工事を行う際は、中途換金できます
【債権の利息と利率】
利息の受取は、満期まで毎年1回定期的に指定口座に、債権の利息を振込ます。
「単年利率」とは、各都市平均利率より算出した利息額から前年までの受取利息額を差し引いた金額を利率にしたもので、単年で受けとれる利息額(税引前)を算出する際に利用します。
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マンションの良好な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上を図るためには、計画的な修繕工事の実施が不可欠ですが、修繕工事の費用は多額であり、修繕工事の実施時に一括で徴収することは困難です。このため、将来予想される修繕工事を盛り込んだ長期修繕計画を策定することが重要となります。
手続等で、お困りの際は近藤リフレサービスまで、お問い合わせください。
電話での、お問合せお待ちしております。
049-256-8500
※平成28年度「マンションすまい・る債」の募集は、平成28年9月21日(水)をもって終了しております。
第2回 マンション管理セミナー開催のご案内
7月に引き続き、弊社では第2回目のマンション管理セミナーを以下の通り開催いたします。
テーマは、
「暮らしのトラブルを解決するには!」
マンション住まいの中で、不意に起きる様々なトラブル。
お客様からご相談を受けたトラブルの事例をもとに、
「知っておけば安心!」と言う対応のポイントをご説明いたします。
多くの皆様の、ご参加を心よりお待ち申し上げております。
日時:平成28年11月6日(日) 午前10時~ (会場9時45分)
場所:近藤建設本社ビル 7階ホール
参加ご希望の方は、ご案内のチラシをダウンロード後、必要事項をご記入のうえ
電話・ファックス・メールにてお申込をお願いいたします。
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